このページの要点
- 取引の型は、請負(民法632条)、準委任の履行割合型(656条・648条)、成果完成型(648条の2)の三つ。報酬の発生時点と途中終了の精算が変わる。
- 仮払い、納品、検収、報酬確定、支払の順序と期間を決める。沈黙をもって合格とみなす条項は、依頼者が消費者のときは消費者契約法10条に注意する。
- キャンセル料は着手前・着手後・納品後の時点別に分ける。成果物の著作権は、翻案権等の特掲の有無が論点になる(著作権法61条2項)。
- 旅行・有償運送・医業・職業紹介に近づく役務では、運営者が手配・提供していると見られない仕組みにする。事業者から個人への委託は、フリーランス法・取適法の位置づけを資料で確認する。
結論:まず「成果物の完成を約束した取引か、作業をすることを約束した取引か」を決め、報酬が確定する時点を一つにする
制作、相談、代行、案内といった仕事を、依頼者と提供者が場で取引する型のサービスは、物の売買とは違い、「何をもって仕事が終わったと言えるのか」が最初の争点になります。完成した成果物を引き渡すことを約束した取引なのか、一定の作業をすることを約束した取引なのかで、報酬が発生する時点も、途中で取りやめたときの精算も、結果が出なかったときの扱いも変わるからです。
運営者が気にするのは、もう一つあります。仕事の取引は、旅行の手配、有償の送迎、医療、職業の紹介のように、特定の業の許可や登録、資格が前提になる役務に近づきやすいことです。運営者が役務を手配している、あるいは自ら提供しているとみられると、場の提供者という立場を超えてしまいます。取引の型と報酬の確定の整理、業法に近づく場面での書き方を、順に見ていきます。
- 取引の型は、請負、準委任(履行割合型)、準委任(成果完成型)の三つで整理する。型によって報酬が発生する時点と、途中終了の精算が変わる。
- 仮払い、納品、検収、報酬確定、運営者からの支払の順序を決め、各段階の期間と、期間内に連絡がないときの扱いを規約に書く。
- キャンセル料は、着手前、着手後、納品後の時点別に、依頼者・提供者・運営者の取り分を分ける。依頼者が消費者のときは、消費者契約法9条1項1号に注意する。
- 成果物の著作権と秘密保持は、当事者間のルールとして標準を置く。著作権を譲渡する場合は、翻案権等の特掲が論点になる(著作権法61条2項)。
- 業法に近づく役務では、運営者が役務を手配・提供していると見られない仕組みと書き方にする。実態が規約より重い。
4類型の全体像は運営者がそろえる規約と書類のページで、仮払いとして運営者が代金を預かる設計の法的な線引きは代金を運営者が預かる設計のページで扱います。このページは、役務型の取引の中身と報酬の確定に絞ります。
取引の型:請負・準委任(履行割合型)・準委任(成果完成型)
民法は、仕事を頼む契約を主に二つに分けています。請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその結果に対して報酬を支払うことを約する契約です(民法632条)。委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託する契約で(同643条)、法律行為でない事務の委託(相談、調査、事務作業、助言など)には、その規定が準用されます(同656条。準委任)。
準委任はさらに、作業をした分だけ報酬を支払う履行割合型と、作業の結果得られた成果に報酬を支払う成果完成型に分けて考えられます。成果に対して報酬を支払う約束がある場合の規定が、民法648条の2です。型の選び方は、サービスで扱う役務の中身で決まります。デザインやプログラムの制作は請負に近く、相談や助言、翻訳の下訳のような作業は準委任に近いというのが、大まかな目安です。ただし、一つのサービスの中に両方が混ざるのが通常ですから、依頼の画面で、取引ごとにどちらの型かを選ばせる方法が、実務では多く見られます。
取引の三つの型と、報酬の考え方
請負
成果物の完成を約束する(民法632条)
- 報酬は、仕事の目的物の引渡しと同時に支払う(633条)。引渡しを要しないときは後払い(624条1項の準用)
- 完成前に注文者の責めによらず完成不能になった場合や、完成前に解除された場合は、可分な部分の給付による注文者の利益の割合に応じて報酬(634条)
- 注文者は、完成前ならいつでも損害を賠償して解除できる(641条)
準委任(履行割合型)
作業をすることを約束する(656条、643条)
- 特約がなければ報酬を請求できない(648条1項)。履行後でなければ請求できないのが原則(同条2項)
- 履行の途中で終了したときは、履行の割合に応じて報酬(同条3項)
- 各当事者がいつでも解除できる。相手方に不利な時期の解除には損害賠償が問題になる(651条)
準委任(成果完成型)
成果に対して報酬を支払うと約束する(648条の2)
- 成果が引渡しを要するときは、引渡しと同時に報酬を支払う(648条の2第1項)
- 成果が得られる前に終了したときは、請負の割合報酬の規定(634条)が準用される(同条2項)
- 成果が出なかったときの扱いを、規約で明確にしておく必要がある
型を選ぶのは、条文の名前を当てはめるためではなく、報酬の発生時点と途中終了の精算を決めるためです。どの型に当たるのか判断が分かれる取引が出てくることを前提に、規約にはデフォルトの型を置き、依頼ごとに別の型を選べる、という二段にしておきます。
型による違いの整理
| 論点 | 請負 | 準委任(履行割合型) | 準委任(成果完成型) |
|---|---|---|---|
| 約束の中身 | 仕事の完成 | 事務の処理(作業をすること) | 成果を得ること |
| 報酬の発生 | 成果物の引渡し(引渡しが不要なときは後払い) | 履行後(期間で定めたときは期間の経過後) | 成果の引渡しと同時(引渡しが不要なときは成果が得られたとき) |
| 結果が出なかったとき | 原則として報酬は請求できないが、可分な部分の給付で注文者が利益を受けるときは割合報酬 | 作業をしていれば、履行の割合で報酬を請求できる | 成果が得られなければ報酬は発生しない(割合報酬の規定が準用される場合がある) |
| 途中で終了したとき | 完成前の解除では、利益の割合に応じた報酬 | 履行の割合に応じた報酬 | 得られた成果の利益の割合に応じた報酬 |
| 依頼者からの解除 | 完成前ならいつでも損害を賠償して解除できる | いつでも解除できる。相手方に不利な時期なら損害賠償が問題になる | 準委任として解除できる。成果完成型の約束の内容に注意 |
運営者として気をつけたいのは、この表の内容は民法の標準的な扱いで、当事者の特約で変えられる部分が多い点です。変えられるからこそ、規約で標準を置き、依頼ごとに合意で変更できるようにしておく運営が実務的です。標準を置かなければ、利用者どうしがそれぞれ異なる前提で取引を進め、争いが起きたときに運営者が裁定を求められる局面が増えます。
仮払い・検収・報酬確定の流れと、キャンセル料の分け方
役務型のサービスでは、依頼者が先に代金を支払い、運営者が保持して、納品と検収の後に提供者へ支払う「仮払い」の仕組みがよく使われます。依頼者は、納品前に提供者へ報酬が渡らない安心を得て、提供者は、依頼者が支払うことの確証を得て着手できます。この仕組みで運営者が決めておくのは、各段階の順序と期間、期間内に連絡がなかったときの扱いです。
仮払いから報酬確定までの流れの例
- 依頼の申込みと条件の合意依頼者が依頼の内容、納期、報酬額、取引の型(請負か準委任か)を入力し、提供者が承諾する。
- 仮払い依頼者が報酬額を、運営者が定める方法で支払う。運営者は、この時点では報酬を提供者に渡さない。
- 着手提供者が仕事を開始する。仮払いの確認前には着手しないことを、規約と画面で伝える。
- 納品提供者が成果物を納品する。成果物の確認に必要な方法(ファイルの送付、閲覧など)を定める。
- 検収依頼者は、所定の期間内に、成果物の内容を確認し、合格か修正の依頼かを知らせる。
- 修正の対応修正の依頼があったときは、修正の範囲と回数を定めたうえで対応し、再び納品する。
- 報酬の確定検収に合格したとき、または所定の期間内に依頼者から連絡がなかったときは、報酬が確定する。
- 提供者への支払運営者は、報酬から手数料を差し引いた額を、所定の方法で提供者に支払う。
各段階の期間は規約に「所定の日数」と書き、数字は画面の表示や運営ガイドで具体化します。
検収の期間内に依頼者から連絡がないとき、検収に合格したものとみなす条項を置く運営は多く見られます。提供者が、依頼者の沈黙によって報酬を受け取れなくなる事態を防ぐ工夫です。依頼者が事業者の場合は、通知の方法と起算点を明確にしておけば大きな問題になりにくい書き方です。依頼者が消費者の場合には、沈黙を承諾とみなす条項は、消費者の利益を一方的に害するものとして、消費者契約法10条の評価が問題になり得ます。そのため、納品の通知に加えて、期間の終わりが近づいたときの再通知を行うこと、期間内に依頼者が内容の不備を連絡する手段が分かりやすいことを、運用面で整えておきます。
キャンセル料は、取引のどの段階でやめたのかによって分けるのが基本です。依頼者が消費者のときには、解除に伴う損害賠償の額の予定や違約金のうち、同種の契約の解除に伴い事業者に生ずべき平均的な損害の額を超える部分が無効になります(消費者契約法9条1項1号)。ここでいう事業者は、消費者である依頼者と契約する側で、提供者であることも、運営者自身が依頼者と契約する形なら運営者であることもあります。提供者が個人であっても、事業として役務を提供する場合は事業者に当たります(同法2条2項)。運営者がキャンセル料の額を一律に定めるときは、提供者の損害の実態と離れすぎないように、時点ごとの割合で書くのが一般的です。
キャンセルの時点別の取り分の整理(考え方の例)
| キャンセルの時点 | 依頼者の負担 | 提供者の取り分 | 運営者の手数料 |
|---|---|---|---|
| 着手前 | 原則として仮払いの全額を返還する。運営者の手数料の扱いは別に定める | なし | 返還するかどうかを規約で決める。決済の手数料の実費は別に整理する |
| 着手後・納品前 | 進行の程度に応じた割合の報酬を負担する | 進行の程度に応じた割合 | 報酬が発生する範囲に応じて手数料が発生する |
| 納品後・検収前 | 納品された成果物の内容に応じて負担する | 納品された内容に応じた割合 | 提供者に支払う報酬に応じる |
| 検収後 | 報酬の全額 | 報酬の全額(手数料を除く) | 報酬の全額に対する手数料 |
書き方の例(一般的な例) 検収とキャンセル料の書き方
検収のみなし
理由期間の起算点を「通知から」にし、満了前の再通知を入れることで、沈黙のみで報酬が確定する不意打ちの印象を小さくできる。
キャンセル料
理由一律の全額支払は、平均的な損害の額を超える部分が無効とされるおそれがある(消費者契約法9条1項1号)。進行の割合に連動させると、請負・準委任の割合報酬の考え方(民法634条、648条3項)とも整合する。
成果物の著作権と秘密保持:当事者間のルールとして標準を置く
成果物の権利は、運営者の取引の当事者ではない利用者どうしの間の問題ですが、規約に何も書かないと、納品後に「使ってよいのか」「作り直せるのか」「実績として公開できるのか」で争いが起きやすい論点です。規約には、標準のルールを置き、個別の取引で変更できるようにします。
著作権は、著作物を作った提供者に生じます。成果物を依頼者が使うには、著作権の譲渡を受けるか、利用の許諾を受けます。著作権は全部または一部を譲渡できますが(著作権法61条1項)、譲渡する契約で翻案権等(27条・28条の権利)が譲渡の目的として特掲されていないときは、これらの権利は譲渡した者に留保されたものと推定されます(同条2項)。依頼者が成果物を改変して使うことを想定しているなら、翻案権等も含めて譲渡する旨を、明確に書く必要があります。利用許諾の場合は、複製(21条)、公衆送信(23条)など、許諾する利用の方法と範囲を書きます。
条文例成果物の権利の標準的な定め
- 成果物の著作権は、提供者に帰属する。ただし、依頼者と提供者が別に合意した場合は、その合意による。
- 提供者は、依頼者に対し、成果物を依頼の目的の範囲で複製、公衆送信その他の方法により利用することを許諾する。許諾の範囲は、依頼の内容に記載する。
- 依頼者と提供者が、著作権の譲渡を合意するときは、著作権法27条および28条に規定する権利を含むかどうかを、依頼の内容に明記する。
- 提供者は、成果物に第三者の著作権その他の権利を侵害する内容が含まれないことを保証する。
- 依頼者と提供者は、取引の過程で知った相手方の秘密を、取引の目的以外に使用せず、第三者に開示しない。
書き方の例(一般的な例)です。権利の譲渡を標準にするか許諾を標準にするかは、サービスの役務の種類と、提供者の実績としての公開の必要性によって選びます。
秘密保持は、依頼者が提供する資料が秘密を含む取引ほど重要です。運営者は、通常、取引の中身(資料、成果物)に立ち入らない設計にして、運営者が秘密を知る立場にならないようにします。運営者が取引の記録を見られる設計の場合は、運営者自身の秘密保持と、確認する目的の限定を規約に書きます。また、場の外へ取引を移す動きは、秘密保持の保護からも外れるため、利用者にとって不利益になり得ることを案内しておくと、直接取引の禁止の趣旨が伝わりやすくなります。
業法に近づく場面:運営者が役務を手配している、と見られない書き方
場で扱う役務の中には、特定の業の許可、登録、資格が前提のものがあります。提供者が許可や資格を持っていれば足りるのか、運営者が自ら許可や登録を受けなければならない場面があるのかは、運営者がどの程度、役務の内容や条件の決定に関わっているかで変わります。運営者が旅程や料金を決め、提供者を割り当てる運用をしていれば、場の提供という説明が通りにくくなります。
業法に近づく役務の例と、運営者が気をつける点
| 役務の例 | 関係する法令 | 運営者が気をつける点 |
|---|---|---|
| 旅行の計画と手配 | 旅行業法2条(報酬を得て行う旅行の計画の作成や運送・宿泊サービスの提供契約の締結など)、3条(登録) | 運営者が旅程を作る、運送・宿泊を手配する、料金を決める、といった関与をしていないか。提供者が自ら行う案内の掲載にとどめているか |
| 有償の送迎・運送 | 道路運送法78条(自家用自動車の有償運送の原則禁止) | 提供者が自家用の車で有償の送迎を行う役務を、運営者が掲載・仲介する設計になっていないか |
| 医療にあたる行為 | 医師法17条(医師でなければ、医業をしてはならない) | 運営者が、役務の内容が医療行為に当たるかどうかを判断する立場にならないか。掲載する役務の範囲を限定しているか |
| 職業の紹介 | 職業安定法4条1項(求人と求職の申込みを受け、雇用関係の成立をあっせんすること) | 役務の仲介ではなく、雇用関係の成立をあっせんする設計になっていないか |
| 資格・許認可が前提の役務一般 | 各業の法令 | 提供者に資格や許可番号の入力を求め、掲載の条件とする欄を設けているか |
この表は、当てはまるかどうかの判断を示すものではありません。各業の許可や登録の要否、要件の判断は、条文と所管官庁の資料で確認が必要です。ここで押さえたいのは、運営者が役務の手配や提供をしていると評価されると、場の提供者という前提そのものが崩れるという点です。規約に「当社は手配しない」と書いてあっても、運営者が現に提供者の割り当て、料金の決定、役務内容の指示を行っていれば、規約の文言より実態が重く見られます。
書き方の例(一般的な例) 運営者の立場の書き方(役務の手配)
役務の位置づけ
理由運営者が提供者を割り当て、役務を提供する立場にあるような書き方は、業法に近づく。当事者が自ら決める構造を、規約と運用の両方で作る。
料金の決定
理由運営者が料金を決める運用は、役務の提供に深く関与していると評価されやすい。目安の提供にとどめる。
資格の確認
理由審査と保証を約束すると、運営者の責任の範囲が広がる。保証の主体は提供者に置き、運営者の確認は、明らかな誤りへの対応に絞る。
確認の問いと理由業法に近づく役務を扱うときの確認の問い
提供者の割り当て、料金、日程、役務の内容を、運営者が決めていないか。
運営者が決めている部分が多いほど、役務の提供者や手配する者と評価されやすくなる。
提供者の資格や許可の入力欄と、掲載の条件を設けているか。
資格が前提の役務では、提供者の保証と入力が、運営者の説明の出発点になる。
掲載する役務の範囲を、規約とガイドラインで限定しているか。
扱わない役務を明記すると、業法に近づく役務が紛れ込む機会を減らせる。
事故やトラブルのときの運営者の役割を、規約に書いているか。
運営者が役務に責任を持つような書き方だと、手配の評価を強める。連絡の窓口にとどまることを明確にする。
依頼者が事業者で、提供者が個人のとき:フリーランス法と取適法の位置づけ
依頼者が事業者で、提供者が従業員を使わない個人である取引は、フリーランス・事業者間取引適正化等法(正式名称は「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」)の対象になり得ます。この法律では、事業者がその事業のために他の事業者に物品の製造や情報成果物の作成、または役務の提供を委託することを「業務委託」といい(同法2条3項)、従業員を使用しない個人などを「特定受託事業者」としています(同条1項)。業務委託事業者は、直ちに、給付の内容、報酬の額、支払期日その他の事項を書面または電磁的方法により明示しなければならず(3条1項)、特定業務委託事業者の報酬の支払期日は、給付を受領した日から60日の期間内で、できる限り短い期間内に定めなければなりません(4条1項)。
中小受託取引適正化法(取適法)も、製造委託、修理委託、情報成果物作成委託、役務提供委託、特定運送委託を対象として、委託事業者の義務を定めています(対象となる委託の定義は2条)。
これらの法律の義務の主体は、自ら委託をする事業者です。利用者どうしが取引をし、運営者が委託をしていない場合に、運営者がこれらの法律の上でどのような位置づけになるのかは、公正取引委員会、中小企業庁、厚生労働省の資料で確認が必要です。一方、運営者自身が、特集記事の制作などを提供者に依頼する場合は、運営者が委託をする事業者として、これらの法律の義務を負う場面があり得ます。
設計の面で考えられるのは、依頼の画面で、役務の内容、報酬の額、支払期日、納期といった事項を依頼者に入力させ、記録として残すことです。当事者が条件を明確にしたうえで取引する流れができ、提供者が条件を後から確認でき、争いが起きたときの資料にもなります。これは、運営者に義務があるという意味ではなく、場の設計の工夫です。
起きがちなこと
役務型マッチングで起きがちなこと
- 取引の型を決めずに運営し、結果が出なかったときに報酬が発生するのかを巡って、依頼者と提供者が争い、運営者に裁定を求める。
- 検収期間の起算点が曖昧で、依頼者が「納品を知らなかった」と主張する。みなし承認の条項が働かない。
- キャンセルの時点を問わず報酬の全額を請求する書き方で、依頼者が消費者の場合に、一部が無効と主張される。
- 成果物の著作権について何も定めず、納品後に依頼者が改変したことに対し、提供者が権利を主張する。
- 運営者が提供者を割り当て、標準料金を決めている運用で、規約には「当社は手配しない」と書いていて、実態と規約が食い違う。
- 資格や許可が前提の役務で、提供者の入力欄がなく、無資格の提供者による事故のあとに、運営者の関与が問われる。
- 仮払いとして預かる代金の扱いを、決済の仕組みの面から整理しないまま運営を始める。
よくあるご質問
請負と準委任のどちらで規約を書くべきですか。
サービスで扱う役務の中身によります。成果物の完成を約束する取引は請負に、作業をすることを約束する取引は準委任に近く、一つのサービスの中に両方が混ざるのが通常です。規約にはデフォルトの型を置き、依頼ごとにどちらの型かを選べるようにしておくと、報酬の発生時点と途中終了の精算を取引ごとに整理できます。
検収期間が過ぎたら、合格したものとみなしてよいですか。
依頼者が事業者の場合は、通知の方法と起算点を明確にして規約に書いておけば、通常は大きな問題になりにくい定めです。依頼者が消費者の場合は、沈黙を承諾とみなす条項として消費者契約法10条の評価が問題になり得るため、期間満了前の再通知など、運用面の手当てが必要です。
依頼者の代金を運営者がいったん保持する仕組みは問題ありませんか。
報酬の確定時点の取り決めとしては、一般に使われる設計です。ただ、運営者が代金を預かって提供者に渡す仕組みは、資金決済法や銀行法との線引きの問題があります。預かる型の違いと条文は、別のページで整理していますので、設計の前に確認してください。
提供者の資格や許可の確認は、運営者がしなければなりませんか。
一般的な義務として運営者が全提供者の資格を審査しなければならない、とは言えません。業法の対象になる役務かどうか、運営者の関与の程度がどうかによって変わるため、条文と所管官庁の資料で確認が必要です。規約と画面の設計としては、提供者に資格や許可の入力と保証を求め、運営者の確認は明らかな誤りへの対応に絞るのが、説明のつきやすい形です。
依頼者が事業者で提供者が個人の場合、運営者にも義務が生じますか。
フリーランス法や取適法の義務の主体は、自ら委託をする事業者です。運営者が委託をしていない場合の位置づけは、公正取引委員会、中小企業庁、厚生労働省の資料で確認が必要です。運営者自身が提供者に仕事を依頼するときは、運営者が委託をする事業者として義務を負う場面があり得ます。
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本ページは一般的な情報提供です。個別のサービスへの当てはめは、取引の仕組みや利用者との合意の経緯によって異なることがあります。書き方の例として紹介している内容は、一般に見られる書き方を整理した例で、特定の事業者や案件を示すものではありません。条文は e-Gov法令検索(法令API)で確認しています。参考: e-Gov法令検索 / 消費者庁 / 金融庁 / 警察庁 / 経済産業省