直接取引(中抜き)の禁止と違約金の書き方

手数料を避けて場の外で取引されるのを止めたいとき、強い違約金を置けば守れるとは限りません。禁止の特定、違約金の基準、成約の報告義務、検知の運用を、順に整理します。

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固定額や取引額の倍数の違約金は、見た目の抑止力が強いぶん、損害との関係を説明しにくく、争われたときに過大な部分が問題になりやすい書き方です。

このページの要点

  • 禁止する行為を、連絡先の交換・外部への誘導・成立後の継続取引・成約の秘匿に分け、禁止の期間と範囲を限定して書く。
  • 違約金は賠償額の予定と推定される(民法420条3項)。消費者契約法9条1項1号は「解除に伴う」違約金が対象で、禁止違反のみの違約金は10条や民法90条で評価される。
  • 固定額・倍数型より、当該取引の手数料相当額と実損害を基準にする型のほうが、説明がつきやすい。請求の前に通知と弁明の機会を入れる。
  • 成果報酬型では、成約の定義・報告の期限・報酬が及ぶ期間・報告漏れの扱いを一か所に集約する。メッセージの検知は個人情報保護法17条・18条・21条・23条と通信の秘密を確認する。

結論:禁止するのは「場で知り合った相手との、場を通さない取引」。違約金は手数料相当額と実損害を基準に組み立てる

利用者が運営者の手数料を避けるために、場で知り合った相手と外で取引を続けることを、実務では中抜きと呼びます。運営者の収益は取引に応じた手数料や報酬にあるため、これを防ぐ条項は必要です。ただし、強い違約金を置けば守れるという単純な話ではありません。違約金が過大だと、その部分が無効と評価されるおそれがあり、無効とされたときには、禁止そのものの実効性まで疑われます。

考えるべきことは三つに分かれます。第一に、何を禁止するのか。連絡先を教えた時点なのか、外で実際に代金のやり取りをした時点なのか、取引が一度成立したあとの継続取引まで含めるのか。第二に、違反したときの金銭の請求をどう書くのか。第三に、成約に応じて報酬を受ける仕組みでは、成約の報告をどう義務づけるのか。さらに、違約金は最後の手段で、利用者が場に残る理由を作る設計のほうが、実際には中抜きを減らします。

  • 禁止する行為を、連絡先の交換、外部への誘導、成立後の継続取引、成約の秘匿に分けて特定し、禁止の期間も区切る。
  • 違約金は、民法420条の賠償額の予定になる。利用者が消費者のときは消費者契約法の面から、事業者のときも民法90条などの面から、過大な部分が問題にされる。
  • 固定額や取引額の倍数を基準にする書き方は争われやすい。当該取引で運営者が得られたはずの手数料相当額と、それを超える実損害を基準にする書き方のほうが、説明がつきやすい。
  • 成果報酬型のマッチングでは、成約の定義、報告の期限、報酬が及ぶ期間、報告漏れ・虚偽報告の扱いを一か所に整理する。
  • 連絡先交換の検知やメッセージの閲覧は、利用目的の特定と公表、通信の秘密の面を確認してから運用する。

このページは、直接取引の禁止とその違約金に絞ります。手数料の率や変更の手続は手数料の設計と規約への書き方のページで、仕事を依頼する型のサービスの報酬の確定はスキルシェア・役務型マッチングの規約のページで扱います。

禁止する行為を特定する:連絡先の交換から成約後の継続取引まで

「本サービスを通じて知り得た相手と、本サービスを介さず取引を行うことを禁止する」とだけ書く規約は多く見られます。趣旨は明確ですが、利用者から見ると、どの時点から違反になるのかが分かりません。運営者の側でも、違反を主張するときに、何を証拠として示せばよいのかが定まりません。そこで、禁止する行為を分解し、それぞれについて書き方を決めます。

禁止行為の分解と、規約に書くときの要点

行為起きる場面規約での書き方の要点
連絡先の交換取引が成立する前に、電話番号や外部のメッセージサービスのIDを、投稿やメッセージで教え合う禁止する時点(成立前なのか、成立後も含むのか)を書く。例外(運営者が認めた方法で連絡先を共有する場合)があれば明記する
外部への誘導「詳しくは別のサイトで」と書いて、場の外の取引に誘う外部サービスへの誘導を禁止する。誘導か単なる情報提供かの線引きの基準を決めておく
成立後の継続取引一度取引した相手と、次回から場を通さずに取引する禁止する期間と対象の範囲を限定する。無期限・全面の禁止は、過大と見られる可能性がある
成約の秘匿成約に応じて報酬を受ける仕組みで、成約した事実を運営者に知らせない成約の報告義務として別に書く(後の見出し)
別のアカウントでの取引禁止を免れるため、同一人が複数のアカウントを使う複数アカウントの作成を禁止し、同一性の確認に使う情報を利用目的に含める

禁止の範囲は、広ければよいというものではありません。たとえば、取引成立後に、商品の受渡しのために必要な連絡先を交換することまで禁止すれば、多くの利用者が違反の状態になります。反対に、禁止の範囲が狭すぎると、取引が一度成立した相手との継続取引が実質的に素通りになります。自分のサービスで、利用者が場の外で続けたくなるのはどの場面か(初回のみ場を通せば足りる業態なのか、継続して依頼が発生する業態なのか)を見極めて、範囲を決めます。

禁止の範囲の決め方(三つの型)

成立前の誘導のみ禁止

取引が成立するまでの間の連絡先交換・外部誘導を禁止する

  • 検知しやすく、利用者にも分かりやすい
  • 成立後の継続取引は止められない
  • 一度きりの取引が中心の物品販売などに向く

成立後の一定期間まで禁止

成立前に加え、成立から所定の期間は、場を通さない取引を禁止する

  • 継続取引の動機をある程度抑えられる
  • 期間の起算点と終点を明記する必要がある
  • 期間が長いと過大と見られやすい

期間を限らず全面禁止

場で知り合った相手とは、時期を問わず場を通さない取引を禁止する

  • 運営者の収益は守りやすい
  • 利用者に過度な制約を課すと見られやすい
  • 違約金と組み合わせると無効の主張を受けやすい

三つの型は、サービスの取引の形(一度きりか、継続か)と、利用者が消費者か事業者かで選びます。迷う場合は、真ん中の「成立後の一定期間まで」を基本にして、期間と範囲を狭める方向で調整するのが、説明のつきやすい出発点です。

違約金の法的な性質と、無効とされるおそれ

違約金は、民法上、賠償額の予定と推定されます(民法420条3項)。当事者は、債務の不履行について損害賠償の額を予定することができ(同条1項)、予定した額は、履行の請求や解除権の行使を妨げません(同条2項)。現行の条文には、かつてあった、裁判所が予定額を増減できないとする文言はありません。もっとも、予定された額が自由にいくらでも認められるという意味ではなく、額が過大であれば、公序良俗に反する法律行為として無効とされる余地があります(民法90条)。

利用者が消費者の場合は、さらに消費者契約法が関わります。消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、または違約金を定める条項で、同種の消費者契約の解除に伴い事業者に生ずべき平均的な損害の額を超える部分は、無効です(消費者契約法9条1項1号)。ここで注意したいのは、同号が「解除に伴う」違約金の条項を対象にしている点です。直接取引の禁止に違反したことそのものに結びつけた違約金は、文言上は解除に伴うものとは限らず、その場合の評価は、消費者の利益を一方的に害する条項を無効とする10条や、民法90条で検討されることになります。一方、違反を理由に運営者が契約を解除し、その解除に伴う違約金とする書き方をすれば、9条1項1号の評価も問題になります。どの構成をとったかで、問われる条文が変わります。

条文の要点メモ(違約金)

  • 民法420条1項:損害賠償の額を予定できる。2項:予定は履行の請求や解除権の行使を妨げない。3項:違約金は賠償額の予定と推定する
  • 民法90条公の秩序または善良の風俗に反する法律行為は、無効
  • 民法415条債務不履行による損害賠償。予定がなければ、運営者が損害を主張・証明することになる
  • 消費者契約法9条1項1号消費者契約の解除に伴う損害賠償の額の予定・違約金のうち、同種の契約の解除に伴い事業者に生ずべき平均的な損害の額を超える部分が無効
  • 消費者契約法10条法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比べて消費者の権利を制限し、または義務を加重する条項で、民法1条2項の基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは無効

事業者どうしの取引でも、違約金は無制限に認められるわけではありません。ただし、事業者間では、消費者契約法の枠が使えない分、民法90条や信義則の面で、額と実損害の関係が評価されます。運営者の側で説明できる損害は、実際には、本来得られたはずの手数料や報酬、調査にかかった費用などに限られます。固定の高額な違約金を置いても、その額と運営者の損害が結びつかなければ、全額が認められる保証にはなりません。

書き方の例(一般的な例) 直接取引の違約金

金額の基準

よくある書き方違反した利用者は、一定の額、または取引額に一定の倍率を掛けた額のいずれか高い額を、違約金として運営者に支払う。
整えた書き方違反した利用者は、当該取引について運営者が通常得られたはずの手数料相当額を支払う。現に生じた損害がこれを超えるときは、その超える部分も賠償する。

理由手数料相当額は、運営者の損害として説明しやすい。固定額や倍数は、損害との関係の説明が難しく、過大と評価されやすい。

請求の手続

よくある書き方運営者が違反と判断したときは、直ちに違約金を請求できる。
整えた書き方運営者は、違反の事実を利用者に通知し、弁明の機会を与えたうえで、違約金を請求する。

理由誤認による請求を避け、利用者との間の紛争を小さくする。弁明を受けた記録は、後の説明の材料にもなる。

他の権利との関係

よくある書き方違約金を支払えば、その他の責任は負わない。
整えた書き方違約金の支払は、利用停止、契約の解除、売上金の取扱いの権利の行使を妨げない。

理由賠償額の予定が履行の請求や解除権の行使を妨げないという民法420条2項の考え方に沿った書き方。違約金だけで終わらせない運営ができる。

条文例直接取引の禁止に違反した場合の定め

  1. 利用者は、本サービスを通じて知り合った相手方と、本サービスを介さずに取引を行ってはならない。取引成立前の連絡先の交換および外部のサービスへの誘導も、同様とする。
  2. 前項の禁止は、取引の成立から所定の期間が経過するまで継続する。
  3. 利用者が第1項に違反したときは、当社に対し、当該取引について当社が通常得られたはずの手数料に相当する額を支払う。当社に生じた損害がこれを超えるときは、その超える部分についても賠償する。
  4. 当社は、第1項の違反の事実を確認したときは、利用者に通知し、弁明の機会を与えたうえで、前項の請求をする。
  5. 第3項の支払は、当社が利用者に対し、利用の停止、契約の解除その他の措置をとることを妨げない。

書き方の例(一般的な例)です。期間は「所定の期間」と伏せています。禁止の期間と範囲は、サービスの取引の形に合わせて限定します。

成果報酬型のマッチング:成約の報告義務と、報酬が及ぶ期間

面談や紹介の機会を提供し、その結果として成約したときに報酬を受け取る仕組みでは、直接取引は「成約したことを運営者に知らせない」という形で現れます。運営者は、利用者どうしの間で何が成約したのかを自分では確認できないため、報告に頼る設計になります。この設計では、成約の定義と報告義務を、利用者が読んで分かる形で一か所にまとめることが重要です。

成約の報告に関して決める項目

項目決めること食い違いが起きやすい点
成約の定義契約の締結、発注、代金の支払の開始、のいずれを成約と数えるか利用者は「話が進んだだけで成約ではない」と考え、運営者は「合意した時点」と考える
報告の期限と方法成約から何日以内に、どの方法で報告するか期限が書かれていても、方法が曖昧で、報告したかどうかの記録が残らない
報酬の算定対象初回の成約のみか、継続の取引や追加の発注も含むか追加の発注まで報酬が及ぶ場合、利用者は想定していない
報酬が及ぶ期間契約が終了したあと、どの期間までの取引に報酬が及ぶか終了後の取引にまで報酬が及ぶ構造で、期間と範囲が書かれていない
報告漏れ・虚偽報告報酬に加えて違約金を請求するか、契約の解除を認めるか報酬と違約金の関係が不明で、二重に請求されたと受け取られる
確認への協力報告の正確さを確認するため、契約書の写しなどの提示を求められるか確認の範囲と秘密の取扱いが書かれておらず、利用者が提示を拒む

報酬の請求日と支払期日が、複数の条項に重ねて書かれている例もあります。条文が増えるうちに、同じ事項を別の条で書いてしまい、片方だけを直して食い違いが残る典型的な形です。請求と支払の定めは一つの条にまとめ、他の条からは参照するだけにすると、食い違いが生じにくくなります。

報告義務に違反したときの違約金は、報酬そのものとは性質が違います。報酬は、成約という事実に対して当然に発生する対価で、違約金は、報告義務の違反によって生じる損害の賠償額の予定です。この二つの位置づけを書き分けておかないと、報酬と違約金を二重に取るように読まれ、違約金の相当性の評価が厳しくなります。違約金の額も、前の見出しで述べたとおり、運営者の損害との関係で説明できる範囲にとどめます。

成約の報告から請求までの流れの例

  1. マッチングの成立面談や紹介が行われ、利用者どうしが取引の話を進める。
  2. 成約の報告利用者は、成約の日から所定の期間内に、所定の方法で運営者に成約の内容を報告する。
  3. 運営者による確認運営者は、報告内容に疑問があるときは、契約書の写しなどの提示を求める。
  4. 報酬の請求運営者は、確認が済んだ成約について、報酬を請求する。請求日と支払期日は一つの条に集約して書く。
  5. 支払利用者は、定められた方法で報酬を支払う。
  6. 報告がない場合の対応報告がないまま成約の事実が判明したときは、通知と弁明の機会を経て、報酬と、定めがあれば賠償額を請求する。

連絡先交換の検知とメッセージの閲覧:個人情報と通信の秘密

禁止を実効的にするため、メッセージの内容から電話番号やアドレスの形をした文字列を自動で見つけたり、通報を受けて担当者が内容を確認したりする運用をとるサービスがあります。この運用は、利用者のメッセージという個人情報を取り扱う行為ですから、個人情報保護法の面と、通信の秘密の面の両方を確認してから始めます。

個人情報の面では、個人情報取扱事業者は、利用目的をできる限り特定しなければなりません(個人情報保護法17条1項)。取得したときは、あらかじめ利用目的を公表している場合を除き、速やかに本人に通知または公表します(21条1項)。特定した利用目的の達成に必要な範囲を超えて個人情報を取り扱うには、あらかじめ本人の同意が要ります(18条1項)。また、取り扱う個人データの安全管理のために必要かつ適切な措置も必要です(23条)。検知の運用をするなら、「不正取引の防止」や「利用規約に違反する行為の検知」を利用目的に含めて、プライバシーポリシーで公表しておくことが出発点です。

通信の秘密については、電気通信事業者の取扱中に係る通信の秘密は、侵してはならないと定められています(電気通信事業法4条1項)。利用者どうしにメッセージ機能を提供している運営者が、この規定の対象となる電気通信事業者に当たるのか、当たる場合にどのような場合に内容を確認してよいのかは、条文と総務省の資料で確認が必要です。規約に同意を求めれば足りるのか、個別の同意が要るのかといった論点もあり、ここで結論を述べることは控えます。運用の面では、閲覧の目的を絞る、閲覧できる担当者を限定する、閲覧の記録を残す、といった絞り込みが、いずれの面からも安全側の運用になります。

確認の問いと理由検知・閲覧の運用を始める前の確認の問い

  1. メッセージの内容を確認する目的は、プライバシーポリシーと規約に書かれているか。

    利用目的の特定と公表が出発点になる(個人情報保護法17条、21条)。目的外の利用は、本人の同意が要る(18条)。

  2. 自動検知と、人の目による確認を、どの場面で使い分けるか。

    自動検知で足りる場面(定型の文字列の検出)と、人の判断が必要な場面(文脈の確認)を分けると、閲覧の範囲を最小限にできる。

  3. 閲覧できる担当者は限定され、閲覧の記録が残る仕組みになっているか。

    安全管理措置(23条)の一部であり、後で閲覧の相当性を説明するための材料にもなる。

  4. 検知した結果として行う措置は、警告から利用停止まで、段階が書かれているか。

    誤検知があり得るため、いきなり利用停止ではなく、通知と弁明の機会を入れるほうが、誤りの修正がしやすい。

  5. 通信の秘密の面で、メッセージ機能の提供形態を確認したか。

    電気通信事業法4条1項の対象に当たるかどうかで、同意の取り方や閲覧の可否の検討が変わる。条文と総務省の資料での確認が必要。

違約金だけに頼らない:中抜きの動機を減らす設計

中抜きが起きるのは、利用者から見て、場を通すことの手間や手数料が、場を通すことの価値を上回っているときです。違約金で押さえつけるより、場に残る理由を作るほうが、結果として規約の紛争も減ります。

場に残る理由を作るための見直し

  • 連絡先や個人を特定する情報が見えるタイミングを、取引の成立後に限る。成立前のやり取りを、場の機能の中で完結させる。
  • 継続して依頼したい利用者のために、場の中で定期的な取引ができる機能(再依頼、定期の注文)を用意し、継続の手間を下げる。
  • 場を通した取引には、運営者による補償、代金の保全、評価の蓄積といった付加価値があることを、画面で伝える。
  • 手数料の率や上限を、継続の取引では下げるなど、続けて場を使う動機を作る(手数料の設計は別のページで扱う)。
  • 違反への措置は段階にする。警告、手数料相当額の請求、一定期間の利用停止、契約の解除の順に、重さに応じて書いておく。

売上金がある場では、運営者が請求できる手数料相当額を、利用者に支払うべき売上金から差し引く運用をとりたくなりますが、規約に根拠を置き、対象と手順を明記しておく必要があります。売上金の保留と相殺の考え方は、出品者規約の作り方のページで整理しています。購入者側の禁止行為や未払いの取扱いは購入者規約の作り方のページで整理しています。

起きがちなこと

直接取引の禁止と違約金で起きがちなこと

  • 禁止の趣旨だけを書き、どの時点から違反なのかを書かなかったため、連絡先を教え合っただけの場面で違反かどうかの争いになる。
  • 固定の高額な違約金や取引額の倍数を置いたことで、違約金の全体が過大と主張され、請求そのものが難しくなる。
  • 違約金と報酬の関係が書かれておらず、報告義務違反の場面で二重に請求したと受け取られる。
  • 成約の報告義務の条項と、報酬の請求の条項が別々の場所にあり、片方だけ改正して食い違う。
  • 成約の定義が曖昧で、利用者が「まだ成約していない」と主張し、報告の有無が争点になる。
  • メッセージの確認を始めたのに、利用目的の公表や閲覧者の限定が追いつかず、利用者から個人情報の取扱いを問われる。
  • 違約金の請求をいきなり行い、誤認が判明して、運営者への不信が広がる。通知と弁明の機会の手順がなかった。

よくあるご質問

連絡先を教え合っただけで、違約金を請求できますか。

規約の書き方次第ですが、連絡先の交換が、場を通さない取引に直結していると言えるのかが、運営者側の説明の中心になります。連絡先の交換だけでは運営者に損害が生じていないこともあります。連絡先の交換と、外での取引の実行を分けて書き、違約金は取引が実際に外で行われた場合に結びつけるほうが、説明がつきやすい構成です。

固定額の違約金を定めると、無効になりますか。

無効になるとは限りません。ただ、利用者が消費者の場合は消費者契約法の面で、事業者の場合は民法90条の面で、額と運営者の損害の関係が問われます。固定額や取引額の倍数を基準にするより、当該取引の手数料相当額と実損害を基準にしたほうが、過大な部分を問題にされにくい設計です。

取引が成立したあと、どのくらいの期間、外での継続取引を禁止できますか。

一般的な年数や期間の決まりはありません。取引の形(一度きりか、継続か)、報酬が発生する期間、利用者が消費者か事業者かによって、相当な範囲が変わります。禁止の期間と範囲を限定して明記し、無期限の禁止にはしない書き方が、過大と見られにくい出発点です。

成約を報告しない利用者には、どう対応すればよいですか。

報告義務が規約に書かれていることが前提です。報告がないまま成約の事実が判明したときは、利用者に通知し、弁明の機会を与えたうえで、報酬と、定めがあれば賠償額を請求します。報酬と違約金の位置づけを書き分けておくと、二重の請求と受け取られにくくなります。

利用者のメッセージを、運営者が確認してもよいですか。

個人情報保護法の面では、利用目的の特定と公表、目的の範囲内での取扱い、安全管理が必要です(17条、18条、21条、23条)。通信の秘密の面では、電気通信事業法4条1項の対象になるかどうかを、条文と総務省の資料で確認する必要があります。確認の目的を絞り、閲覧者を限定し、記録を残すことが、いずれの面でも安全側の運用です。

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